「自然物の方がキケンだなんてことはない」と考える人も多いだろう。
しかし、これは紛れもない事実なのである。
誰でも知っている例をあげよう。
「単純な毒」ということなら、フグの毒や、毒きのこがあるし、食用にしている多くのきのこ類には、発ガン性の強いカビがついていることも確認されている。
1977年ごろ、レモンの皮などに塗るオルソフェニールフェノール(OPP)という防カビ剤には変異原性があるから危険だという理由で、全国的なボイコット運動が巻き起こったことがある。
その時の印象が強いせいか、今でも、レモンは発ガン物質でカビの発生を防いでいると信じ、レモンティーなどは発ガン物質を飲んでいるのと同じだ、という人がいる。
ところが、OPPは結果的に、変異原性は陰性と試験データが出ているのだが、何と果実の中身の方に、天然の変異原性物質が含まれていることがわかった。
この物質は、フラボン化合物といわれ、レモンだけでなく、いろいろな植物の葉や実、特に、ワラビにはたくさん含まれている。
残留農薬検査