2015年6月アーカイブ

村上さんも「その通り。労賃考えるとデメンさんをそう雇えるわけじゃないし、小さい子供も学校から帰ったらすぐ草取りの手伝い。全部家族総出ですよね。夏に子供つれて海水浴行くなんて絶対できんかったもんね。あの頃は本当にきつかったです」

もっとも、春先から秋の収穫まで、農家にとって毎日の作業が忙しいことには変わりがない。

美瑛町では弓道が盛んで、31歳になる大坪さんの息子さんも、高校時代から競技を楽しんでいる一人だ。

六段錬士の腕前で道内の大会では上位に入賞したことも多く、88年の京都国体には北海道の代表選手にも選ばれた。

しかし、ちょうどこの時期は収穫のまっ最中であり、一週間も休むわけにはいかない。

結局、出場を辞退した。

「テレビで開会式観てて、"いたましかった(もったいなかった)"と言って畑に出ていった。かわいそうだけど、本人も自覚もって考えた結論です。一番忙しい時だからね」

村上さんと、大坪さんに話を聞いてみた。

小麦、小豆、ばれいしょは二人とも、そして、村上さんは、グリーンアスパラ、ネットメロン、スィートコーンを、大坪さんは大豆、ビート、そして水稲をやっている。

二人とも、品目を多くしているのは、農作業のピーク時期を分散させるためだ。

大坪さんは終戦直後から、村上さんも、農繁期に手伝いに駆り出されていた頃から数えると30年以上、この土地の農業とかかわってきた。

昔と今を比べると、農作業の量と質は、大きな変化を遂げている。

「昔はね、とにかく草むしりが大変だったです。小豆なんかは、雑草取るのが少し遅れると、草の方が背たけが高く伸びちゃう。草に負けるんですよ。そうなったらもう、その畑はあきらめにゃダメですね。当時は、馬使って耕してたけど15cmくらいしか掘れない。今はトラクターで30cmとか40cmと深く耕せますからね。それで、草の種が発芽する割合も低くなっているんですね。それと除草剤がありますから」と大坪さん。

残留農薬検査
「ありがたか農薬ば、何で目のカタキにするとか」という久富さんだが、使用する時はやはり、使用基準をきちんと守り、安全使用を心がけている。

「腕をまくり上げて、マスクもせんでまいて、終わったらすぐに酒を飲んでるようなバカモンもいる。

そんなのをみるとあきれてモノも言えん」

もう一つ、農薬のメリットを、「経営的にみて素人でも分かるように」例をあげてくれた。

「除草剤には本当に世話になっている。

これがなきゃ、ウチのモンだけじゃ全部の田んぼに手がまわりません。

昔は、草刈り機の音がよう聞こえたけど、今は使う人はいない。

作業が楽だし、時間も省けるのが除草剤です」

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