2015年7月アーカイブ

ソテツの実に2%も含まれているサイカキシン、春先に季節の到来を告げるフキノトウに含まれているフキノトキシンも、かなり強い発ガン物質である。

自然界には、実に数多くの発ガン物質が存在している。

それらの中で、横綱級といわれているのが、「アフラトキシン」である。

こいつは、トウモロコシやピーナッツなどにつくカビがつくり出す物質だ。

他の発ガン物質に比べても、群を抜いて強い。

魚、鳥、ネズミなど、実験した全ての動物すべてにガンを発生させた実績をもち、発ガンに必要な量も、マイクログラム単位、つまり数PPbという微量である。

厚生省でも、食料品汚染を厳しくチェックしているが、何しろ、自然界で勝手に作られているのだから、始末が悪い。

たまにピーナッツなどから発見されて、大騒ぎになるのである。

ここにいくつかあげた天然の発ガン物質は、いずれも実験によって、発ガン性が確認されている。

農薬の場合は、同じ内容を含む多項目のテストが実施され、もしそこで発ガン性が確認されれば、認められない仕組みになっている。

「自然物の方がキケンだなんてことはない」と考える人も多いだろう。

しかし、これは紛れもない事実なのである。

誰でも知っている例をあげよう。

「単純な毒」ということなら、フグの毒や、毒きのこがあるし、食用にしている多くのきのこ類には、発ガン性の強いカビがついていることも確認されている。

1977年ごろ、レモンの皮などに塗るオルソフェニールフェノール(OPP)という防カビ剤には変異原性があるから危険だという理由で、全国的なボイコット運動が巻き起こったことがある。

その時の印象が強いせいか、今でも、レモンは発ガン物質でカビの発生を防いでいると信じ、レモンティーなどは発ガン物質を飲んでいるのと同じだ、という人がいる。

ところが、OPPは結果的に、変異原性は陰性と試験データが出ているのだが、何と果実の中身の方に、天然の変異原性物質が含まれていることがわかった。

この物質は、フラボン化合物といわれ、レモンだけでなく、いろいろな植物の葉や実、特に、ワラビにはたくさん含まれている。

残留農薬検査

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