2013年9月アーカイブ

自作農にしただけで保守支持になるわけではない。

政治の側から絶えず「ばらまき」、つまり利益誘導にも似た働きかけがあってはじめて、農村が保守政党の票田になったといえる。

農地制度に関したことでいうと1952年、農地法制定のときが、あからさまな利益誘導の最初だろう。

日本の農地改革は、農地調整法改正と自作農創設維持特別法の二本立ての法制で実施された。

それを一本化し恒久法にしたのが農地法なのだが、一本化の過程で「理念」に関する重要なことが脱落した。

農村は、わが国の保守政党にとって大事な票田になっている。

もともと、日本の水田対応農業は水利管理などで、地域的なまとまりと協力なしでは成立しない。

だからこそ政治的にもまとまりを持った勢力になる可能性が強いのだが、戦後の農地改革がそれを保守的な塊にするのに役立った。

規模は零細というものの、農家一戸一戸を土地所有者にしたからである。

GHQで農地改革担当官だったラディンスキーが自画自賛して、「農村を日本に共産主義を浸透させない金城湯池にした」といったのは有名な話である。

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協議が整わない場合は、市町村対応農業委員会が裁定して賃貸借あるいは譲渡を行なわせる」など、農地の社会的管理を強化する手法を検討することが掲げられている。

社会主義国のように、土地所有権を否定しようとしているのではない。

しかし、耕作権とか所有権といった農地についての「私益」を、地域の農民から選出された農地委員会のチェックの下に置くことを考えていたのである。

このような「国家管理的施策」は、現実の農地政策として結実しなかった。

しかし、この時期の日本の農林官僚が、農地については土地所有権にかなりの制約を加えてでも、農地としての役割を果たさせようと考えていたことは間違いない。

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さらに続けると「農地改革は、離農する零細農を日本経済が吸収してくれるまでの手段」と考えていたともいえる。

農地改革で膨大な数の零細自作農をつくったあとの農地政策を、どう展開しようとしていたのか。

農林官僚の意図を読み取れる文書が残っている。

1948年8月に開かれた全国農地課長会議用に、農水省農地部がつくった「今後の農地改革について」である。

そこでは「農地の利用を効率的に行なうため......荒らしづくりになっている農地を、市町村農地委員会が耕作希望者に賃借・譲渡させるよう協議させる。

「零細農を適正規模農家にする問題は、この土地改革以後における一番大きな問題の一つであろう。

共同経営にもっていくことも一つの考えだし、農業以外の所得で生活を維持するよう指導していくことも必要だ。

......工業の発展を待ち、その面に吸収していくことがないと、過小農の問題は徹底的に解決することはできない」と。

国会答弁なので持ってまわった言い回しになっているが、ストレートにいえば「共同化による適正経営規模化か、離農・脱農できるような経済環境にならないと、零細性は解消できない」と答えているのである。

地主制度解体に蛮勇をふるった戦争直後の農林官僚も、零細農解消対策にまでは手がまわらなかった。

地主・小作関係と並んで、農家の零細性が日本対応農業の生産力の低さをもたらす要因の一つであることを、彼らが意識していなかったわけではない。

そのことは、国会答弁や農水省の内部文書のなかに残っている。

1946年、第二次農地改革法案審議のなかで、和田博雄農相(当時)は次のような答弁を行なっている。

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夏のアスパラガスやブロッコリーなどは、外気温も高いので、体温を早く二~五度くらいまで下げてやるのが大切。

産地、流通、販売の段階でも同じこと。

家庭菜園でとれたものやスーパーから買ってきたものも、早く冷蔵庫に入れ体温を下げてやらなければならない。

ナス、キュウリ、カボチャ、サトイモ、ショウガなども一〇度くらいまでの低温で保存すればよいが、長期間冷蔵すると、キュウリは皮が溶けたり、ナスなら種子のある部分が茶色になったりという低温障害を受ける。

鮮度を保持するには、野菜が生長したり、活発に呼吸するのをやめさせればよい。

それには(1)低温にする、(2)呼吸をあまりさせずに、しかし窒息はしない程度に周辺の空気の条件を保つ(たとえば真空パック)の二つがある。

野菜によって違いはあるが、およそ温度を一〇度下げると、野菜の呼吸は二分の一から四分の一に下がる。

たとえば二〇度のアスパラガスを○度(凍る寸前)に下げれば、呼吸は約九分の一となり、それに反比例するように日持ちがよくなる。

キャベツ、白菜などを長く置くと、冷蔵庫のなかでも芽や茎ができていることがある。

キュウリはズルリと溶けたりする。

野菜は収穫されたあとも呼吸をしている。

水分は絶えず葉面から蒸散しているから、やがてしなびる。

その間に、糖分、ビタミン類などが減少し、味もまずくなる。

千葉県対応農業試験場で青果物の貯蔵・流通技術を専門に二〇年間も取り組んできた大久保増太郎さんの研究成果を借りて、野菜別の鮮度保持の方法を紹介する。

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イタリア料理のレストランが、ファーストフードに追いやられてはたまらないと、イタリアで85年頃から始まったのがスローフード運動である。

日本の畜産は、日本の風土に合ったかたちでしかやっていけない。

広い土地は降ってこない。

飼料も、牧草が少ないから、購入した配合飼料とトウモロコシに頼らざるをえない。

過密なところで飼えば、家畜のストレスも大きく病気になりやすい。

だから大量の抗生物質、抗菌物質をエサに混ぜて与える。

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