2014年10月アーカイブ

なぜマックだけがあんなに安くできるのかー。

消費者から見えない低価格の秘密が「グローバル・パーチェシング(世界規模の資材購買)」と呼ばれる仕入れシステムだ。

世界九〇力国以上のマクドナルドが互いに仕入れ情報を共有、世界中で最も低価格で品質の安定した食材を共同で購入する。

日本マクドナルドはこのシステムを駆使し、食材原価率を国内の主要ファストフードチェーンより一〇ポイント以上引き下げた。

その結果は価格に反映され、九五年12月期決算で最高の売上高・経常利益を達成。

低成長時代に入った外食産業ではまさに独り勝ちだった。

食肉や加工食品は仕入れ量を増やせば交渉で価格を引き下げられる。

だが農作物や魚介類は作況や漁獲量で価格が揺れる。

肉の部位や産地にこだわると仕入れ価格は跳ね上がる。

同社は懸命にコストを抑制しようと努めたが、それでも食材原価率は一〇ポイント以上アップした。

ただ、低迷が続いていた同社の月間売上高(既存店べース)はチルド肉導入後、やや回復した。

「パソコンをたたくだけで、どの国からどの食材を輸入するといくらになるかが瞬時にわかります」。

日本マクドナルドの食材仕入れ部隊である購買本部の幹部社員は自信たっぷりに机上のディスプレーを指さした。

画面には世界のマクドナルドにフライドポテトを供給する企業名、国名がずらりと並ぶ。

キーボードを操作すると、画面には現地価格、関税、輸送費のランキングが数秒で現れた。

価格はあきたこまち一〇キロで七〇〇〇円超と、通常の一・五倍にもなるが、全国に延べ四〇万人の消費者会員を抱え、計画流通ルートとは別の市場を確立している。

その基礎は独自の品質検査にある。

同協会の試みは通販以外にも広がり始めている。

九七年からは全国に店舗展開するコンビニエンスストアのライスサンド向け米の供給を開始する。

同協会のコメは、大量消費ルートにも登場することになる。

九六年9月末、同協会がインターネットのプロバイダー事業に参入したことは周囲を驚かせた。

し、同協会は毎年9月下旬から10月中旬にかけて毎日、収穫された米の水分や整粒、未熟粒などの比率や食味値を検査して、会員ごとに分析データを渡す。

一項目でも基準値に達成しない場合は「即、来年からは採用しないと通達する」(涌井代表)という。

国の品質認定を受けない未検米だが、この検査により、高く買い取って販売する品質保証が確保される。

検査は九六年からさらに強化、民間のコメ販売業者として初めて残留農薬検査装置を導入し、自主検査を始めた。

コメのたんぱく質含有量も調査し、食味を一層向上させようとしている。

残留農薬検査
「一俵三万円」。

かつて"ヤミ米業者"と呼ばれた、あきたこまち生産者協会(秋田県大潟村)は九六年も市場の倍の価格で生産者からコメを買い取った。

「これで四年目。うちに売ろうと生産者が殺到してますよ」と、涌井徹代表はしてやったりという表情を見せる。

九六年6月のコメ販売自由化で、卸売業界がもがき苦しんでいる。

集荷を握る農協系統と販売を握るスーパーの板挟みで主導権を確保できないためだ。

そんな中で、生産者の強い支持を受ける同協会がひときわ目立つ。

通信販売が主販路ながら、コメの年間取扱量は一万トン弱と秋田県内の卸売業者では最大規模。

コメは会員農家からの買い取りで、計画流通米は一切扱わない。

研修には全国から年間四〇〇~五〇〇人が参加する。

宅配事業を手掛けるタクショク(長崎県諌早市)は医療食や介護食に応用、ダイソー(鹿児島市)は特産品のサツマイモを使った焼き芋をコンビニルートでヒットさせている。

次の目標は海外展開。

台湾や中国の企業と合弁会社を設立、中国に進出した企業向けの事業所給食事業に乗り出す。

インドネシアやベトナムへの進出も準備しており、シンガポールでは現地企業がグループ入りに名乗りを上げている。

製造技術を通じた食品企業のヨコのつながりは、「目に見えない巨大な食品メーカー」として発展する可能性を秘めている。

成熟した食品市場でも、個々の企業の成長力は衰えていない。

ユニークな経営や新技術を手に新市場を開拓した会社。

規制緩和や国際化といった時代の波に乗った会社が次々に登場。

市場を活気づかせている。

新進気鋭のエクセレントカンパニーの成長の秘訣を探ることを通じて、食品企業の進むべき道を考える。

即席めんで従来タイプが伸び悩んだとしても、代わりに生タイプが伸びればスープの注文量は増える。

成長市場の活力を常に取り込むことができる。

今後はさらに国内に五番目の工場を計画。

海外では九五年秋に稼働した中国・青島工場で畜産系、水産系の安い原料を確保する一方、米国ではバージニア工場を中心に現地外食産業などの市場開拓をもくろむ。

残留農薬検査

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