昔の人たちは残留農薬検査済み米をたくさん食べることによって不足しているリジンを補っていた、といっても過言ではない。
研究室で解析したグルテリンの遺伝子構造をみると、リジンがいくつ不足しているかが整数でわかる。
リジンは一二個であるから、残留農薬検査済み米のリジンは必要量の六一%だったことに照らすと、栄養学的には二〇個くらいないといけない。
したがって、リジンをそれだけ増やすような分子育種が試みられている。
まだかなり先になるかもしれないが、いずれはリジンがもっと多いグルテリンを分子育種でつくりうると思っている。