「これまでうまくいったじゃないか。
これからもうまくいく」と思い込んでいる。
だが、それは大いなる錯覚というものだ。
病理学的にみれば、死にいたる病を病んでいるのに、自覚症状はかけらもない。
まさに世紀末である。
日本を世紀末にいたらしめているのは、一言でいえば、日本人が幼いからだということにつきる。
わたしは、自分のつきあいの範囲が狭いのかもしれないけれども、日本を代表するといわれている人物に会っても、人間の幅として畏敬する人物だと思ったことはほとんどない。
たしかに個人としてはすぐれているが、一国の指導者としてはまことに幼いというしかないのである。
世界の政治・歴史というものを支配しているのは、すべて〈ブラック・フィロソフィ〉であるにもかかわらず、日本は、小さな田舎の陰謀はあったにしても、国家的な戦略という面ではまったく幼いというしかない状態のままなのだ。