人口がふえるということは、場合によっては、経済が発展し得たという、喜ぶべきことの象徴であるという場合があります。
しかし、今日の世界人口の増加は、もっぱら発展途上地域でふえているというところに問題がある。
その問題は、さっきもちょっと触れましたけれども、要するに、先進地域の人たちの生活水準と、発展途上地域の生活水準が全く異なっているという点にあります。
世界銀行が発表している統計がありますので、それをちょっと紹介しておきたいのですけれども、世界銀行が低所得国-私が今、発展途上地域といった言葉を、経済的に置きかえたと考えていただいてもいいのですが、所得レベルが低い国というように区分けしている国ーの平均のGNP(国民所得)を人口一人当たりで割ったものですが、これは、1987年時点で二九〇米ドルとなっています。