この小から大への展開は、弥生時代にはじまり、ずっと続いて、江戸時代の中頃に利根川下流域のような広大な平野も水田に変えられて、ほぼ終了した。
ここで日本の水稲耕作の大きな特徴である田植えとは何か考えてみたい。
あらかじあ苗代で苗を大事に育て、ある程度の大きさに育ったらそれを本田に植え替えるのが田植えである。
本田は田植えの前に十分に耕やされ、それまでに育った雑草を埋めて殺す。
つまり稲にとっての生存競争相手をすっかり除いた状態を作りだし、そこにある程度育った稲の苗を植えてやることによって、稲が有利に生存競争できるようにしてやるのだ。