次に、農民と政党というものについて考えていきたい。
農民を政治的にどう動員するか、というのはどこの国でもむずかしい問題である。
資本家とか労働者という階層を政治的に組...織するのはある意味では単純といえば単純な面があるが、いわば旧中間層と呼ばれる農民層・中小企業層というものは政治的になかなかうまくシステムの中に組み込めない。
それだけ組み込み方には多くのスタイルがある。
日本の場合、政党は農民をどういうふうに組み込んでいったのかというと、この二〇年間は六割くらいの農民が自民党を支持するという姿がわれわれの頭にこびりついているが、これもそう単純だったわけではない。