「途上国の反乱」といわれ、カンクン閣僚会議の動きの中心となった途上国のなかには、アジアの発展途上国であるインド、インドネシア、フィリピン等が含まれていた。
これらの国々の要求は、先進国の国内補助金の削減や輸出補助金の全面撤廃の問題に加えて、途上国の「特別品目」への配慮を求めるものであった。
ウルグアイ・ラウンド合意以降、農産物の輸出を伸ばしているタイ、マレーシア以外の国々は(ただしタイもマレーシアもアジアの経済危機のなかで農産物貿易収支を悪化させた)、アメリカやオーストラリアからの輸入を増やしており、このままでは国内農業が縮小しかねないため、自国にとって重要な特別品目については、これ以上の市場アクセスの拡大を行わなくてもいいというルールを求めたのである。