途上国も市場開放よりはアメリカの国内支持のほうが問題ではないかと批判しているが、アメリカは他の国が要求に応じてこなければ自分たちも応じられないとして、事態はどうにもならない穴のなかに入ってしまった。
ただ、上の階層ほど関税の引き下げ幅を大きくするという階層方式については合意した。
一部とはいえ高関税の品目を抱えている日本にとっては大変なことである。
その上、さらに上限関税75%で圧縮するというのだから、二重の負荷を求められることになる。
そのことはアメリカも当然承知しているはずなのに、かたくなに市場開放を求めている。
市場アクセスの改善をしなければ国内支持についての妥協はできないといい張るのだ。
裏返していえばアメリカは、もうこれ以上の国内支持の削減はできないという事情を抱えているのではないかという印象である。