空中散布を実施した各農業関連団体では、人体に影響のないレベルである、大気中の濃度はきわめて希薄である、といっている。
しかし、木村啓一医師は、患者の診察結果こそ大切である、散布量を基準どおりにしているから安全と割り切ってしまうのは危険である、と指摘している。
また、群馬県の高崎市、観音山では、松枯れ病の原因とされるマツクイムシの防除のために、殺虫剤のスミチオンを空中散布している。
時期は毎年六月初旬。
研究センターの花井氏らの調査は、昭和六〇年六月、散布日の前後に行なわれた。
その結果、市内各所の大気中から、スミチオンが検出された。
そして、散布後四日が過ぎても、場所によっては散布当日とほぼ同様の濃度のスミチオンが検出されたのである。