いまのアメリカは日本の弥生時代によく似ている。
アメリカは〈人種の堆塙〉ではあるけれども、原住民だったインディアン以外にアメリカ民族は存在しない。
だから、アメリカ合衆国という国家の旗の下に結集するのである。
アメリカ人というけれども、その内実はどこまでいっても、白人は白人、黒人は黒人、中国人は中国人であって、多少の混血はあるだろうが、日本のように稲作という共通の基盤をもって〈たまり〉と〈熟成〉と〈発酵〉の単一民族には絶対になりえないだろう。
国が大きいからどこまでも〈租界〉があり、いつまでもその構造がつづいて、かえって分割していく可能性のほうが強いようにみえる。
そういう意味で、アメリカは偉大な相対性国家である。