アメリカ人が民族として国家の旗の下に結集しなくとも、みずからの文化を共有しうる絶対国家になるには、すくなくとも一〇〇〇年はかかるのではないか。
そういう意味では、よくも悪くも〈発酵〉性という特殊性をもった日本人の文化は、ますます貴重な世界性をもつのである。
そのためには、日本はもっと開放して外国人を受け入れ、新しい外国の血を入れて、二〇〇〇年前の弥生時代のように、日本をふたたび人種の混合体にすることだ。
日本民族は単一民族だといった虚妄にとらわれることなく、古代日本がそうであったように、さまざまな民族と大混血をする。
そうすれば数千年にわたって日本が生きのびる可能性があるだろう。
ところが、いまの日本は経済主義だけで、そういった〈ブラック・フィロソフィ〉がない。