自由化された状況のもとでは、サービス貿易も、商品貿易の場合と同じように、比較生産費の原理で行なわれるであろうといわれている。
サービス貿易の競争力をなす要素は多様であろうが、次のものが考えられる。
(1)労働力の質と所得水準や受け入れられる労働条件、(2)技術およびノウハウ、(3)金融力および導入資金の利子率、(4)産業の規模およびネットワーク、(5)伝統と信用。
サービスの種類によっては、ノウハウや技術の外国移転が速いため比較優位状況が短命で変化しやすい場合もあるが、大が小を制する場合もあるであろう。
サービスに関する新協定ができると、これに参加する国の間で自由化が進み、すでに競争力のある国のサービス産業が新しい競争条件のもとでさらに合理化して、その比較優位をゆるぎないものにする可能性がある。