一九五〇年以前までは王侯・貴族の独占であったと思われるような美味で栄養満点な食事を、一般庶民がとれるようになっている現在のグルメ時代には、飢えの実感を持つ人は非常にすくないでしょう。
多くの日本人が食料はスーパーや冷蔵庫から生まれると思っているようにさえ感じられます。
このようになったのは、たかだか二〇~三〇年にしかすぎません。
多くの発展途上国では、現在でも多くの人々が飢えと隣り合わせに住んでいます。
人類が作物を栽培し、家畜を飼うといった農耕をおぼえてから数千年から一万年近く経っています。
農耕以前の狩りや採取の時代にくらべて、農耕時代や農業時代に入ってから人類の食料事情はかなりよくなり、その食事内容も改善されました。