このことからも農水省の稲作規模拡大を全国一律に促進しようとする政策は現実無視と言わざるを得ない。
「黒いネコでも白いネコでも、ネズミを獲るネコは良いネコである」の通り、「兼業農家でも、専業農家でも安くて旨いコメを安定的に生産できる農家が良い農家なのである」
まして兼業農家は所得が高くなるから助成策は講じにくい。
だから専業農家の育成に努めるべきであるといった議論は暴論である。
兼業農家は一般のサラリーマン世帯並みの収入を兼業で得ている。
そのうえで先祖から譲り受けた田畑を耕して、いくばくかの収入を得ているのである。
それは人並み以上に働いて得た収入である。
それを政府助成の対象とすべきでないと主張するのは、農家に「働くな」と言っているに等しい。