「古い木はどこかに多少のキズはありますから感染しやすい。
青森ではりんごが密集していることも、容易に発生面積が増える一因のようです。
私共の試験場でも、いろいろと研究を進めていますが、今は、農家の人達に手抜きをせず、しっかりと防除することに努めてもらうのが第一です」
この話を聞いただけでも、農薬なしでのりんご栽培は、ほとんど不可能に近いことがわかった。
「農薬なしでは、市場に出せるものは、まずほとんど収穫できないでしょうね。
りんごとなし、それに桃なんかは、果樹の中でも病害虫にやられやすい作物なんです。
無農薬というのは、ちょっと考えられません」
もっとも、田中次長は別な視点から、最近の品質チェックの厳しさを懸念している。